開けてびっくりもっこもこフィルター! 62歳 女性
私の子供の頃はまだ自宅にエアコンがなく、夏は扇風機でしのいでいました。車には付いていたので、暑さが耐え難いときは家族で行く当てもなく車を走らせるような日々でした。
そんな子供時代を過ごし、ようやく家にエアコンを入れましたが、その当時はエアコンは「ただ涼しい空気を送り出す機械」でしかなく、クリーニングするという発想自体が存在しませんでした。
それから10数年、家族で引越しをし、その機会に新しくエアコンを取り付けました。その業者さんから、年に一回はクリーニングをしたほうがいいですよということは聞きましたが、これまでの経験から一家全員が「?」と思っていました。
そして丸一年、業者さんのメンテナンスサービスで無料でエアコンクリーニングをしてくれるというお知らせが入りました。タダならやるかー、と気楽に申し込み、ぱかりと開口部を開いてみて愕然としました。黒かったはずのフィルターが、灰色なのです。そう、詰まった綿埃でフィルターの元の色が分からなくなっていたのでした。恐る恐る触ってみると、もっこもこのぬいぐるみのよう。「こんなところから出てきた空気を吸っていたのか…」と今更ながら恐ろしくなりました。
業者さんも、まさか1年間一度もフィルターを洗っていないとは思っていなかったらしく、「これはすごいですねー」と呆れ半分笑い半分の様子でした。
それからはさすがに気を付けるようになり、月に1度はフィルターを取り外して洗い、定期的にクリーニングしてもらうようになりました。知らないというのは恐ろしいですね。昔の家にあったエアコンの中身を見てみたいような、知らないままで済ませたいような気がします。10年放置したフィルター…どんなことになっているのでしょうか。